海水魚の餌にはどんなものがあるのでしょうか
海水魚の餌のやり方
海水魚には肉食性のものと藻食性のものがいますが多くの種類が似たようなものを食べています。
中には好き嫌いが激しくそれしか食べないという種類もいますがあまり多くはありません。
そういう種類の海水魚を飼おうとすると餌で苦労します。
熱帯魚の餌も金魚の餌も海水魚の餌も中身はそれほどの違いはありません。
海にいようが川にいようが魚が食べるものは似たり寄ったりです(ただ、海水魚には淡水魚ではそれほど必要としない ω3、ω6系脂肪酸のような必須の栄養素があります)。
人工餌は動物性と植物性の食べ物をブレンドして作られているのが普通で特別に食べ物が難しい海水魚でなければどの餌を食べさせても同じようなものだと思います。
(中にはシュアーという餌のように植物性の原料を使用していないものもありますが…)餌は何種類も売られているので一番適したものを見つけていくことは飼育する楽しみの一つであると共にテクニックの一つでもあります。
海水魚の餌は形状によって1.人工餌、2.乾燥餌、3.冷凍餌、4.生ま餌、5.活き餌などに分けられます。
このうち最も多く用いられている餌が人工餌でなるべくなら人工餌だけで育てていきたいものです。
何といっても人工餌は栄養バランスを考えて作られていて水を汚すことが少なく、保存がきく上安定して入手することができます。
人工餌で育てていければ海水魚を容易に健康に育てていけます。
餌やりの回数は1日1〜2回にして毎回1〜2分程度で食べきる量を与えていきます。
自然界の海では食べ残しが出たとしても問題ないのですが狭い水槽内では水質を悪化させてしまいます。
1日3回以上与えていると食べきれなかった餌によってどんどん水質が悪くなっていく傾向にあります。
ただし一回に食べる量が少ない稚魚などは一日2回では足りなくどんどん痩せて弱ってしまいます。
この場合1回の量を減らして何回かに分けて与えていかなくてはなりません。
このような幼魚などでない限り餌やりの回数は1日1〜2回で食べ残しが出ない量にします。
人間は安定的に食料を得られるように農業で作物を育てたり牧畜をしたりしていますが、自然界の生物はいつ食べ物にありつけるか分からないのが普通です。
そのため食べ物があればあるだけ食べておこうとするものです(次いつ食べ物にありつけるか分からないので‥‥)。
コンスタントに食べ物にありつけることはほとんどないのが普通なので生き延びるためこのような行動をとるようになっています。
水槽で飼育されている海水魚は定期的に食べ物が得られるのに食べ物があるとあるだけ食べてしまう習性は変わりません。そのためついつい食べ過ぎてメタボで病気にかかりやすい体になるので与え過ぎに気をつけます。
成魚と幼魚を混泳させているときは餌やりが難しくなります。
幼魚に餌を与えようとしても体の大きい方が全部食べてしまい、成魚の方はメタボになり幼魚の方は食べ物が得られず餓死ということになってしまいます。
毎日の給餌作業は個々の海水魚の健康状態を知るのにとても重要になります。
給餌のとき個々の海水魚の食べ方を観察しこの海水魚はいつもこのような食べ方をしているというのを覚えます。
今日はいつもと違う食べ方していると感じたときは何か異変が起きている可能性があります。
生物は体調がおかしくなると食物を消化する消化酵素を代謝酵素に変えていきます。
今は食事どころではない!体を治すことのほうが先決だ!と判断しているのです。
代謝酵素は新陳代謝をしたり免疫力で細菌などを退治する酵素です。
代謝酵素の働きで病気が良くなると酵素は消化酵素に変わっていき食欲がでて普通の状態に戻っていきます。
食事の状態を観察していればどの海水魚が体調をおかしくしているか知ることができます。

餌付け作業
ショップで買ってきた海水魚はその日のうちに餌を食べてくれるものと食べてくれないものがいますが当日は餌を与えないようにします。
翌日に人工餌を与えてみて食べてくれればラッキー食べてくれなければ餌付け作業をすることになります。
ショップが 仕入先から海水魚を仕入れた時点では多くが餌を食べてくれないものです。
運ばれてきた長旅の疲れがあることや新しい環境に移され警戒し興奮しているためです。
無理に食べさせようとするとそのことがストレスとなり病気になってしまいます。
ショップではこのような海水魚に時間をかけて生餌を与えたり冷凍餌を与えたりして少しずつ餌に慣れさせていきます。
海水魚も人間と同じように一匹一匹の性格が違い環境に直ぐ慣れて新しい餌を食べてくれるものがいる一方なかなか慣れてくれないものがいます。
多くは雑食性で今まで食べたことがなかったものでもその内食べだしますが、中には人工餌を餌と認識できないものもいます。
ショップはできるだけ人工餌で育てられるよう餌付けしていくので入荷後日数が経った海水魚は人工餌に慣れているものが多くなります。
入荷後間もない魚は人工餌に餌付いていないものが多く買ったあとアクアリストが餌付け作業をしていかなくてはならないことがあります。
購入後数日で死んでしまうのは病気や先住者からのいじめもありますが食べ物にありつけず餓死してしまうケースがかなりあります。
水槽に新しく加える魚は隔離ケースに入れて餌付けと先住者からのいじめを防ぐため慣らし作業をします。
慣らし作業は魚の種類にもよりますが3日から7日くらいかけるのが普通です。
人工餌を食べてくれるようなときは在来魚たちに顔を知ってもらう慣らしだけで済むかもしれません。
人工餌を食べてもらえない場合はじっくりとトリートメントタンクで餌付け作業をしていかなくてはなりません。
人工餌を食べてくれない場合ははじめにアサリやエビなど自然の生き物を与えます。
まずは新しい環境内で餌を食べるということに慣れさせ、徐々に人工餌が食べられるようにしていきます。
餌付けはアサリがよく使われるのでアサリの例でそのやり方を追ってみます。
スーパーで売っている普通の生きているアサリを買ってきて冷凍させます。
冷凍するのは細菌類を死滅させる目的です。
冷凍したアサリ1個を開いて与えます。
この状態だと1〜2日でほとんどの海水魚がつついてくれることが多いものです。
これを食べてもらえたら次は冷凍アサリをすり鉢を使うか包丁で切り刻んで細かくします。
細かくしたアサリに少しの人工餌を混ぜて練り合わせ貝殻に塗り冷凍庫で冷凍させます。
そして貝殻に塗って冷凍された餌を冷凍したまま与えます。
この餌を食べてもらえるようになったら人工餌の比率をだんだん上げていき最終的に人工餌だけで食べてもらえるようにします。
生の餌は水質を悪化させるので食べ残しは早く取り除くようにしトリートメントタンクの水は早めに換水するようにします。

人工餌
人工餌はほとんどが自然にある動物や植物を粉砕して混ぜ合わせ乾燥させたものです。
それにニンニクの強い臭いを加えたりして嗜好性を高めているものもあります。
免疫性を高めるためビタミンCやビタミンB6、B12などを強化しているものもあります。消化吸収をよくするために乳酸菌、PSB菌を加えたりしているものもあります。
海水魚の中には植物しか食べないもの、動物しか食べないもの、サンゴのポリプしか食べないもの、プランクトンしか食べないものなど極端な種類もいますがほとんどが雑食性です。
そのため人工餌の多くは動物性のものと植物性のものを混合してつくられていています。
どの海水魚にも食べてもらえるように作られています。
人間にも野菜が好きな人、肉が好きな人、魚が好きな人などがいます。
お酒がとても好きな人もいればお酒を体が受け付けない人もいます。
海水魚でも個々の好みは違っていて ハギであっても植物性でないと食べる気が起きないものもいますしそれほどこだわらないものもいます。
好き嫌いが激しくそれしか食べないという海水魚のため植物性の原料を主体にして作られた餌を用意しているメーカーもありますがどちらでもよいという餌が多くなっています。
人工餌の形状はフレーク状になったものと顆粒状になったものが普通ですがその他にもタブレット状、スティック状、粉状、ジェル状など対応する生体の食性にあった形状が考えられています。
この他に養殖場とか水族館では生の魚、ホタテ、エビなどと人工餌の材料であるフィッシュミール、海藻、小麦粉などを半々に混ぜたMP(モイストペレット)が使われています。
人工餌はタイプごとで売られていますがテトラは
4タイプの餌を一つの容器に入れた
テトラ マリン メニュー 4in1 65g を販売しています。
人工餌は容器に入れられていて量の多いもの、少ないものなどが売られていますがなるべく量の少ないものを買うのが良いと思います。餌は量が多いほど割安になっていますが量が多いと開封後なかなか使い切ることができません。
開封後の餌はしっかり封をして直射日光の当たらないところで保管しますがそれでも酸化は進んでいきます。分解が進んだ餌を与えてしまうと魚は病気になってしまいますし、このような餌を与えていると餌やりの後に水面に油膜が出ます。
そのほか時間とともに餌の中にノシメマダラメイガ、タバコシバンムシ、チャタテムシなどの害虫も湧いてきますので開封後の餌はなるべく6ヶ月くらいで使い切るようにします。
フレークタイプ
このタイプの餌は薄く軽いため水面に浮いた状態になります。
小さな海水魚にも大きな海水魚にも食べやすく幅広い大きさの海水魚用として用意されています。
薄い状態なので消化吸収されやすく水も汚れにくいです。
食べ残しがあったとしても水面に浮いているので網ですくって捨てることができます。
この餌は万能的に使えて使いやすい餌ですが水面に浮いて沈みにくいため水面まで行くのが苦手な海水魚は食べられないということが起きます。
小さな海水魚には指先で揉んで細かくしてから与えることもできます。
ピンセットでつまむこともできるので水面に寄って来れない海水魚にはピンセットで挟んだ餌を水中に入れて海水魚の口元まで持っていき食べてくれるのを待つこともできます。
テトラには普通の大きさ用のテトラマリンフレークと大きな海水魚用の2種類がありますがそのほかのメーカーは一種類で小さな海水魚にも大きな海水魚にも使える餌としています。

顆粒タイプ
餌の中身としてはフレークタイプと同じですが平たくしたのではなく顆粒状にして固めたものです。
フレークタイプは薄いため小さな海水魚も大きな海水魚も食べられましたが顆粒状にすると口の大きさにより食べられないものがでてきます。
そのためこのタイプは小さな海水魚用のSタイプ、中程度の海水魚用のMタイプ、大きな海水魚用のLタイプなど大きさの違ったものを用意しているメーカーが多くなります。
また、海水魚は水面まで餌を求めて上がっていく海水魚と水中でしか餌を求められない海水魚と底面に沈んだ餌しか食べられない海水魚などがいるため 、水面に長く浮いている餌、ゆっくり沈んでいく餌、直ぐに沈む餌などの種類もあります。
多くが少し水面に浮いていてその内ゆっくり沈んでいくように作られています。
早く沈むと落ちるスピードに追いつけず餌を食べられない海水魚がいるためです。
人工餌の中心となる餌で多くのメーカーがこのタイプの餌を販売しています。

粉状タイプ

粒状タイプの餌を小さくしていくと粉状になります。 稚魚や幼魚のためには粒を小さくしていきますが軽いため浮上性の餌になります。
フードタイマー
餌やりは一日に2回程度与えるのが普通ですが食が細い海水魚や幼魚などの場合はそれ以上に与えないとだんだん衰弱してしまいます。 幼魚が衰弱すると病気にかかりやすくなり死んでいきます。 幼魚など食の細い生物を飼育していくためには少ない量を一日に何回も与えるようにしていきます。 それができる人はあまり多くはありません。 そのようなときのためにフードタイマーがありこれを使うと定期的にきちんと餌やりができて安心です。 また、海水魚は一週間程度餌を与えなくてもほとんどの種類が飢え死にしないものですが体力は落ちて病気にかかりやすくはなってしまいます。 旅行に出かけたり勤務が不規則だったりして定期的に餌やりするのが難しい場合にもフードタイマーは大いに力を発揮します。

ジェルタイプ
生き物が食べ物を選ぶときは普段自分が食べているものを選ぶものです。 自然界に存在してない人工餌は保存がきいて便利ですがなかなか餌として選んでもらえません。 餌を食べてもらえなければ海水魚は死んでしまうのでアクアリストはどうにか餌を食べてもらおうと努力します。 そのために自然餌(生餌)を乾燥させて保存がきくようにしてありながら食べるときは水にふやけて自然餌に近くなる乾燥餌があります。 自然餌を冷凍して保存性を高めた冷凍餌もあります。 でも乾燥餌は製造中に熱を加えることによって栄養分の一部が除かれてしまいます。 冷凍餌は必ず冷凍庫で保存しなくてはならず解凍後はあまり保存がききません。 最近はそれらを解消するものとしてレトルト製法の餌が売られています。 ジェルタイプの餌はより生餌に近い状態になっていて保存も容易です。 人工餌で餌付きにくい場合に餌付用として使うとうまくいくことが多くなります。 ジェル餌に餌付いた後は少しずつ乾燥タイプを加えていきなるべく乾燥タイプで飼育できるよう海水魚の嗜好を変えていきます。


無脊椎用餌
稚魚を飼育したりサンゴ、イソギンチャクなど無脊椎動物を飼育していくこともあります。
稚魚は海中を漂っているプランクトンを食べているのでプランクトンを乾燥させた餌やプランクトンに似せた餌などを与えても良いでしょう。
サンゴなど無脊椎動物は海では漂ってくるプランクトンを食べていますが水槽飼育では水中に添加して与える液体フードを使うのが普通です。
無脊椎動物には海水魚ほど頻繁に餌を与える必要はありませんが健康維持のため定期的に与えていくことが良いでしょう。

乾燥餌
乾燥餌はオキアミ、ブラインシュリンプ、赤虫、イトミミズなどを瞬間冷凍乾燥(フリーズドライ)したものです。
生の状態から水分を除いて保存がきくようにした餌です。
乾燥餌は水の中に入れると軽いため水面に浮きますがそのうち水槽の水を吸収して柔らかくなり元の生きている状態に近くなります。
そのため餌食いの悪い海水魚に対しての餌付用として使われることの多い餌です。
自然界の海水魚は同じものばかり食べているわけではなく食べられそうなものはいろいろなものを食べています。
そのため栄養分を広く得ることが出来ています。
それに対し水槽内で一種類の餌ばかり食べさせていると栄養価が偏りだんだん弱っていきます。
乾燥餌をメインの餌にするのはやめた方が良いでしょう。
乾燥餌は餌付用の餌と考えなるべく早く人工餌に切り替えていきます。
でも人工餌を主食にしおやつに乾燥餌を与えて喜ぶ顔を見るのは良いでしょう。乾燥餌に限りませんが餌は保存のため密閉した容器に入れられていますが開封後は脂肪酸の酸化が進行して劣化していきます。
なるべくなら小さな容器の餌を使うようにして開封後時間経過した餌は与えないようにした方が良いでしょう。
オキアミを原料にした乾燥餌はクリルと 呼ばれていてβカロテン 、アスタキサンチン を豊富に含んでいて色揚げの効果 があります。
フリーズドライの餌は栄養の偏りがあるため不足のビタミン類などを含浸処理した製品もあります。
オキアミやブラインシュリンプなど塩水で生息する生物を原料とした乾燥餌には塩分が多く含まれています。
塩分が多いと海水魚の体力を低下させるため塩分濃度を下げる処理を施してある製品もあります。

冷凍餌
生の餌を冷凍したものなのでほとんどの生体が良く食べてくれます。
餌は保存性・利便性のために乾燥させたいのですが乾燥すると失われてしまう栄養素があります。
そのため乾燥餌は栄養素を別に配合しているものが多いのですが冷凍餌の場合は栄養素が失われるということがありません。
冷凍餌には生体をそのまま冷凍したワムシ 、コペポーダ 、プラインシュリンプ 、イサザアミ などのようなものとディスカスハンバーグのようにいろいろな原料の餌を混ぜ合わせたものとがあります。
ワムシやコペポーダは稚魚や幼魚の餌としたりプランクトン食の海水魚やサンゴの餌として使われます。
そのほか餌付きにくい海水魚の餌付用としても使われます。
乾燥餌と比べてはるかに餌として認識されやすいので冷凍餌で餌付けに成功することは多いものです。
ただし冷凍餌で餌付いてくれた場合は少しずつ人工餌も混ぜていき日数をかけて人工餌の比率を高めていきます。
最終的に人工餌だけでOKの状態にまで持っていきます。
冷凍餌の状態を長く続けてしまうと人工餌は食べてもらえなくなり栄養素の偏りにより体力のない海水魚になってしまいます。
一方ハンバーグの場合は魚、貝、エビ、海藻などいろいろな原料を使って栄養不足にならないように作られているので大きな海水魚に対してでも栄養分の心配はなく主食として使うことができます。

生ま餌
この餌は生きている生物の餌のことではなく魚や貝など活きが良いうちに刻んで餌として与える方法のことです。
魚屋やスーパーから人間のおかず用のアサリや甘エビを買ってきて刻んで餌付用としてよく使われています。
ポリプ食性のチョウチョウウオなどは簡単には人工餌を食べてくれないことが多いものです。
最初に生ま餌で慣らしてから人工餌に移していきます。
新鮮なアサリを刻んで貝殻の中に乗せ水中に沈めたり刻んだものをライブロックにすりつけてチョウチョウウオに突かせたりして食べさせていきます。
また刻んだものをスポイトで吸って生体の口元に軽く吹き出して食べさせたりもします。
アサリ以外でよく使われるのは甘エビでこちらの方が結果が良い場合もあります。
そのほかホタテの貝柱や他の貝でもよくマグロの切り身などでもOKです。
一度にたくさんは食べないので一度作ると余りますがラップに包んで冷凍庫で保存すれば一週間程度は保存が効きます。
ただこの餌は食べ残しがあると水を汚すので食べ残しが出ないように与えます。
食べ残しが出てしまった場合はすぐに取り出すなどの注意が必要です。
生ま餌で餌付いた後は徐々に人工餌を混ぜたものにしていきゆくゆくは人工餌だけで育てるようにしていきます。
ヴァンホーテンではコペポーダを生の状態でパック詰めした製品を販売しています。この製品は未開封なら常温で2〜3年保存できます。開封後の保存は冷蔵庫で1週間程度。冷凍庫で3ヵ月程度の保存が可能だそうです。
草食性の海水魚の場合はおやつとして板海苔をもんで与えてみたりキャベツ、レタス、ホーレン草なども海水魚によっては食べるので与えることもよいでしょう。

活き餌
生きているものしか食べてくれない生体を飼うときに必要となる餌です。
もともと自然界で食べていたものなのでどの海水魚も喜んで食べる種類の餌です。
水槽の中ではお互いが活き餌の状態であったりもしています。
弱っている生体は他の海水魚たちの餌にされてしまうということが起きています。
海水魚とエビを飼っているときはエビが海水魚に食べられてしまうということが良く起きます。
逆に海水魚がエビに食べられてしまうということも起こります。飼育しているものがサンゴやイソギンチャク、タツノオトシゴ、クラゲなどのときは動物プランクトンを与えなくてはならなかったり動く餌を与えなくてはならなくなります。
海水魚の稚魚のように小さなものを飼育するためには餌として小さな動物プランクトンを必要とします。
そのようなときによく使われている餌が生きたブラインシュリンプでブラインシュリンプの卵を買ってきて餌を与える前日から自分で孵化させて与えます。
ブラインシュリンプはアメリカや中国などの陸地にある塩水湖に生息しているアルテミア・サリナ(Artemia Salina)という動物プランクトンです。
このプランクトンの卵を孵化させたもので 1oくらいの小さな生きている餌です。
アルテミアは成虫になると1pくらいの大きさになりますが卵の状態だと常温で長期の保存ができます。
必要なときに孵化させて生きた状態で与えることのできる貴重な餌です。
孵化したてのときは栄養がありますが直ぐに栄養は自分の体作りに使われてなくなってしまいます。
ブラインシュリンプは24時間程度で孵化するので餌を与える前日から25℃程度の塩水に卵を入れてエアレーションしておくと孵化してくれます。
光を当てると寄ってくる習性があるので寄ってきたものを濾し布ですくって水槽に入れたりスポイトで吸いこんで生体の口元にピンポイントで与えたりします。
ブラインシュリンプは水槽の中ではあまり長く生きられないので朝晩1日2回与えるようにします。
そのため孵化させる容器は朝用と夜用の二つを用意しておくと使いやすいでしょう。
早く稚魚を成長させたいと思うときは与える回数を多くすると効果が良く出ます。
孵化させたブラインシュリンプは1日程度なら生きているので冷蔵庫に入れて保存することはできます。
稚魚などは孵化したばかりの小さなブラインシュリンプしか食べられません。
これでも大きすぎるという稚魚のためには もっと小さなワムシという動物プランクトンを通信販売などで買うことになります。
ワムシはシオミズツボワムシという種類の動物プランクトンで海に生息している生物です。
ワムシは水槽内の小生物が餌として食べるので余分に入れたとしても水を汚すことはありません。
水槽内は自然界と違ってワムシの餌となる植物プランクトンがほとんどないのでその内減っていってしまいます。
ワムシ以外でも通信販売などで手に入れることのできる活き餌はいろいろあります。
コペポーダ(カイアシ)も海に棲んでいる動物プランクトンで大きさはブラインシュリンプと同じく1oくらいですが栄養価はブラインシュリンプよりあります。
コペポーダは海に棲んでいる生物なので水槽内でも生きられ長い間餌になってくれます。
タツノオトシゴのように動くものしか餌と感じてもらえない生物のためには成長とともに口の大きさに合った生きている餌を用意していかなくてはなりません。
一番小さなものがワムシで少し大きくなってブラインシュリンプかコペポーダになります。これより大きな生きている餌はヨコエビになりますが大きさ2o以下のもの 4oくらいのもの 5o以上のものなどが売られています。
さらに大きなものはイサザアミという活き餌が売られていて大きさは1p程度のもの 1.5p程度のものがあります。
イサザアミは汽水域に生息している生物なので水槽に入れた後はあまり長く生きてはくれません。
餌用として汽水を作って飼育していてもうまく生き続かせることはできません。
海水性のアミエビは水槽内でも生きていてくれるのですが時期的に手に入れられない時期があります。
イサザアミは通年買うことができます。
もう少し大きな生きている餌はモエビとかウミホタルとかがありますがそこまで活き餌を必要とする生体となるとかなり特殊になります。
そのほかプランクトンをパック詰めしたPhyco Pure(ピコピュア)、Rotifer(ロティファー)、Reef Pods(リーフポッド)という常温で4週間保存できるものをLSS研究所が輸入販売しています。
